染色のしくみとはたらき

OWNLY ONE染料(反応染料)が繊維に定着するまでの原理

反応染料が繊維に定着する仕組みは、化学反応を利用して染料を繊維に結合させるからです。繊維は主に綿や麻などのセルロース系繊維が対象となります。

染色プロセス

  • 01

    染料の溶解

    反応染料を水に溶かし均一に分散させます。ここで染料分子が繊維に浸透しやすい状態を作ります。

  • 02

    繊維への染料の吸着

    染液(染料溶液)に繊維を浸すと、染料分子が繊維の表面に吸着します。この段階ではまだ化学結合は起きていません。

  • 03

    アルカリ添加

    アルカリ剤(例: ソーダ灰や水酸化ナトリウム)を加えることで、反応条件を整えます。
    アルカリ環境では、繊維の水酸基(-OH)が活性化され、染料の反応基と結合する準備が整います。

  • 04

    化学反応による結合

    反応染料の反応基が、繊維の水酸基と反応し、共有結合を形成します。この結合により染料が繊維に強固に固定されます。

  • 05

    余分な染料の洗浄

    化学結合していない染料分子などを水洗いや石けんで取り除きます。この工程を経ることで、色落ちしにくい仕上がりになります。

まとめ

なぜ定着が強固なのか?

反応染料は繊維と共有結合を形成するため、一般的な染料よりも耐久性が高く、洗濯や摩擦で色落ちしにくい特徴があります。
この仕組みが、反応染料を綿や麻などの染色に適した選択肢としています。

OWNLY ONE染料(反応染料)について

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反応染料とは

反応染料(はんのうせんりょう、Reactive Dyes)とは、繊維と化学反応を起こして結合するタイプの染料です。
特に、セルロース繊維(綿・レーヨン・麻など)の染色に適しており、洗濯や摩擦による色落ちが少なく、鮮やかな発色が特徴です。

反応染料の特徴

  • 01

    繊維と共有結合を形成

    反応染料は、繊維の分子構造と共有結合(コヴァレントボンド) を形成することで染色が行われます。
    この結合は非常に安定しているため、従来の染料よりも優れた耐久性を持ちます。

  • 02

    鮮やかな発色

    他の染料と比較して発色が良く、色の選択肢が豊富です。
    特に綿繊維の染色では、深みのある色合いが得られます。

  • 03

    高い堅牢度

    • 洗濯堅牢度(洗濯による色落ちのしにくさ)
    • 摩擦堅牢度(こすれによる色落ちのしにくさ)
    • 耐光性(紫外線による色あせのしにくさ)

    これらが高いのが特徴です。

  • 04

    60℃染色が可能

    通常、染色は高温で行われますが、OWNLY ONE染料は60℃での染色が可能です。
    これにより、エネルギー消費を一定量抑えられます。

OWNLY ONE助剤について

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均染剤

均染剤(Leveling Agent)とは、染色時に色ムラを防ぎ、均一に染めるために使用される助剤です。
色ムラを出したい時はあまり使用しません。

均染剤の役割

  • 01

    染料の吸収速度を調整

    繊維が染料を吸収するスピードを遅くし、ゆっくりと均一に染める ことで色ムラを防ぎます。

  • 02

    染料の分散性を向上

    水中で染料が均等に広がるようにし、局所的に染料が濃くなったり薄くなったりするのを防ぎます。

  • 03

    繊維との染料の結合をコントロール

    特定の繊維に対して染料が偏りすぎるのを防ぎ、均一に結合するように調整します。

  • 04

    再付着防止

    一度繊維から染料が離れても、再び不均一に付着しないようにする働きがあります。

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促染剤(無水芒硝)

無水芒硝(Na2SO4、硫酸ナトリウム無水物)は、反応染料による染色の際に重要な助剤の一つで、主に 染料の繊維への吸着を促進する役割を持っています。
また、無水芒硝の代わりに塩でも代用できます。その際、無水芒硝の3分の1の量を目安にしてください。

無水芒硝の役割

  • 01

    染料の吸着促進

    → 繊維の負電荷を中和し、染料が定着しやすくなる。

  • 02

    染色ムラの防止

    → 染料が均一に吸収されるように調整。

  • 03

    染料の溶解性の向上

    → 染色液の安定性を向上させる。

無水芒硝の量とその影響

無水芒硝の量は、染料濃度や繊維の種類に応じて調整されます。

  • 少なすぎる場合 → 染料の吸着が不安定になり、ムラが出やすくなる。
  • 多すぎる場合 → 染料の移動が遅くなり、染まりが悪くなる(染色効率の低下)。
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固着剤(ソーダ灰)

ソーダ灰(炭酸ナトリウム, Na2CO3)は、反応染料による染色で必須のアルカリ助剤 であり、染料と繊維の化学反応を促進する役割を持っています。
重曹でも効果は弱まるが代替えが可能です。

ソーダ灰の役割

  • 01

    アルカリ性を提供し、染料と繊維の反応を促進(pH10~11に調整)。

  • 02

    染色効率を向上させることで少ない染料でもしっかりと発色できる。

  • 03

    段階的に投入することで染料を繊維に吸着させ染色をコントロールします。

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ソーピング剤

ソーピング剤(Soaping Agent)とは、染色後の繊維から未反応の染料や不要な化学物質を洗い流し、色落ちを防ぐ ために使用されます。

ソーピング剤の主な役割

  • 01

    未反応の染料や加水分解染料を除去し、色落ちを防ぐ。

  • 02

    洗濯堅牢度・耐摩擦堅牢度を向上させる。

  • 03

    白化・くすみを防ぎ、鮮やかな発色を維持する。