色は、知覚だけでなく、私たちになんらかの作用を及ぼしています。
その作用は、大きく分けて三つ。
一つ目は、感情に影響を与えるもの。ピンクを見ていると気分が穏やかになりますね。
二つ目は、感覚への影響。ブルーのカーテンで涼しさを演出するとか、美味しそうに見える色など。
三つ目は、生体への影響です。色は肉体にも影響を及ぼすそうです。筋肉に青い光線を当てたところ緊張緩和が見られ
赤い光線で緊張促進力が大幅に上昇したといいます。※1
赤に関しては、英科学誌「ネイチャー」でも赤いユニフォームが青色と対戦して勝率が55%だったと報じています。
このように、色はわたしたちの心と身体の両面に影響を与えますが、逆にその色をつかって人の心と身体によい効果をもたらそうというのが「色彩心理」の分野になります。
本来、ファッションにおける色はトーンやコーディネイトが重要なポイントになりますが、このコンテンツでは単色だけを取り扱います。 その色が持つイメージキーワード、その色を身につけたいシチュエーションなどをご紹介します。 色を決定する際の参考にしてください。
※1:1910年「シュタイン」が行った光線によって引き起こされる筋肉のリアクション現象。筋肉を緊張させたり弛緩させたりする諸条件は、「トーナス変化」と呼び、筋肉の変化を「ライトトーナス値」によって算出。「フェレ」は 「赤い色光は筋肉の緊張度を増大させ、23ユニットの通常値を42にまで引き上げた。オレンジ色は35ユニットまで、黄色は30まで、グリーンは28まで、ブルーは24までだったが、すべてが通常値を上回った。だが全体としていえるのは、スペクトルの暖色光ほど緊張促進力がつよく、寒色光には緊張緩和力が見られる」ということ。
フェイバー・ビレン 著 ; 佐藤邦夫 訳. ビレン色彩心理学と色彩療法 : 人類の福祉と生命体の諸反応を支える光と色のさまざまな様相. 青娥書房, 2009.6より